NICO
35周年を迎え、審査方針、要項を見直し。「新潟発ブランド化の支援」というビジョンに原点回帰した新IDSコンペ大賞は、広義のデザイン・狭義のデザインを隙なく仕上げた「みのりそば」が受賞となりました！
「新潟県の産業をもっと元気に」を使命に、チャレンジする県内企業を応援する公益財団法人にいがた産業創造機構（本部：新潟市、以下「NICO」）では、新潟県で生まれた商品・サービスのデザイン性（意匠の魅力、ならびに設計力）と、社会にもたらす付加価値を評価するコンペ「ニイガタＩＤＳデザインコンペティション(https://www.nico.or.jp/ids/)」を1990年より毎年開催しています。
35周年を迎えた本年度は、「新潟発ブランド化の支援」というビジョンに原点回帰し、審査方針、要項をリニューアル。80点という例年以上の出品をいただきました。
商品・サービスのクオリティの高さだけでは、ブランドとして成立するのが難しい昨今。それに加えて、例年以上に高レベルで甲乙つけがたい出品物が並ぶ中、2025年現在において「新潟県産品が目指すべきブランドの姿（もしくは、その途上にあるもの）」が選出されました。
大賞は広義のデザイン・狭義のデザインの両面から隙の無いリブランディングを行った「株式会社玉垣製麺所【みのりそば】」、準大賞はニッチトップブランドの好事例として選出された「株式会社ナカヤ【YAOCOS（ヤオコス）】」です。
上記大賞、準大賞に加え、IDS各賞含む計12点をご紹介いたします(https://www.nico.or.jp/ids/archive)。各商品の詳細等については、コンペ事務局であるNICOまでお気軽にお問い合わせください。
【IDS大賞】「美味しい物を安く」をこの先へ。 つなぎと工程の新デザイン（みのりそば）
株式会社玉垣製麺所（十日町市）
■へぎそばのつなぎである「布のり」の減少、資源高騰という逆境のなかで取り組んだリブランディング。■70年前の設立時から貫く「美味しい物を安く」を今一度ビジョンに据え、まずは徹底的なマーケティング調査により「自社の商流に適した販売単価」を決定。「へぎそばらしさ」を維持しつつ、布のり依存から脱却できる新つなぎを成分レベルで研究。またその新つなぎは製造工程の簡略化へも寄与。素材と作業リソースが最適化されたことで、持続可能性が高い状態で「美味しくて安い」新ブランド商品が成立した。■そば本体のみならず、パッケージの色・文言も、店頭・EC販売で有利になるよう設計されている。■広義のデザイン（設計、最適化）、狭義のデザイン（色彩、文言）、両面で繊細に計画されたリブランディングである。
【IDS準大賞】YAOCOS（ヤオコス）
株式会社ナカヤ（三条市）
■新築時、２階や柱の水平調整に使う「屋起こし」という作業を簡易化する旧商品をリブランディングしたもの。■旧商品の販売から数十年、ユーザーから「もっと短く折りたためないか」という声があったが、数百キロの負荷が掛かりうる道具であり、開発は難航。基礎技術の積み重ねにより、１段伸縮から２段伸縮への構造変更を実現。他社がこれから開発しても十分な売上が取れない、ニッチトップ市場の継続的なグリップを狙った商品である。■特許技術ではないが簡単には真似できない、基礎技術の組み合わせの妙、短くなったことによるさまざまな機能向上（近年の職人が乗る軽バンへの積載、リフォームへの使用が容易に、通信販売での発送が可能なサイズに）を実現しながら、スタイリッシュな意匠も両立していることを評価した。
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