衆院選2021

県内選挙区直前情勢(中)【2021ふくしま衆院選】

2021/10/17 19:16

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 十九日公示、三十一日投開票で行われる衆院選の本県1、4区は、二〇一七(平成二十九)年の前回衆院選でしのぎを削った与野党の前職同士が再び対決する激戦区だ。1区は自民党の前職亀岡偉民(66)と立憲民主党の前職金子恵美(56)による三度目の対決が濃厚で、4区は自民の前職菅家一郎(66)と立民の前職小熊慎司(53)による初の一騎打ちの構図となっている。(立候補予定者は文中敬称略)


■1区 自民、与党の実績強調 立民、政権交代へ決意

 亀岡は十六日朝、金子との三度目の選挙戦を前に福島市の神社で必勝を祈願した。

 亀岡は前回、金子に一万三千百五十票差で敗れ、比例東北で復活当選した。文部科学副大臣、復興副大臣を歴任し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの本県復興を推進してきた自負がある。政府や中央省庁とのパイプを訴え、二〇一四年の前々回以来の選挙区での当選を目指す。

 ただ、任期を振り返ると、政府要職の公務の合間を縫って地元に戻ったが、地元回りの時間は限られた。県内の復興は今も道半ばで、亀岡陣営は県民の不満が与党に向けられることを危ぶむ。復興副大臣として県民の思いを受け止めてきた亀岡は「福島の復興を進めるためには自公連立政権の継続しかない」と言葉に力を込めた。

 各市町村の行政区単位に張り巡らせた百を超える後援会組織、自民の友好団体、支援組織を引き締め、「眠っている保守層」から票の掘り起こしを狙う。コロナ禍を経験したからこそ対面する意義があるとして、公示後は演説会を各地で開催する方針だ。

   ◇  ◇

 金子は十六日、地元・伊達市の事務所開きで支持者らを前に政権交代への決意を語った。「自公連立政権の傲慢(ごうまん)な政治体質を変えなければならない」

 前回と同じ亀岡との一騎打ちに、金子陣営は勝利の再現を描く。ただ、前回と違う点は金子が無所属ではなく、立民県連代表として政党を背負う立場での戦いとなることだ。

 前回は無所属だったがゆえに旧民進党や旧希望の党、共産などの野党票だけでなく、保守層からも支持を得た側面がある。今回、立民の政党色をまとったことに加え、野党共闘により、金子陣営は前回支持した保守層の一部が離れる可能性を懸念する。

 選挙活動の実働部隊となる県議は1区で立民や共産など野党の八人で、自民と公明党の計六人よりも二人多い。金子陣営は県議や市町村議の後援会との連携を強めれば一層の支持拡大が可能とみている。

 公示後は新型コロナウイルス感染対策を徹底した活動を展開する。施設内での演説会は控え「青空集会」として街頭演説で支持を訴える。


【1区】

衆院選県内選挙区の立候補予定者

亀岡 偉民 66 自民 前(4)

金子 恵美 56 立民 前(2)


2017年衆院選県内選挙区の結果

当126,664金子 恵美 52 無所属

比113,514亀岡 偉民 62 自民

※敬称略。左から氏名、年齢、所属政党の順。前は前職、新は新人。丸数字は当選回数。比は比例代表での当選者


■4区 自民、組織票固め急ぐ 立民、共闘強化目指す

 「非常に厳しい情勢だが、負けるわけにはいかない」。菅家は十六日、福島市で開かれた自民党県連の事務所開きで、決意表明した。

 菅家は前回衆院選で小熊に千二百九票差で勝利した。今回は四度目にして初の一騎打ちとなり、野党統一候補としての小熊と相まみえる。前回の共産票約九千五百票、社民票約八千票を単純に小熊に加えると、菅家は一万六千票ほど下回る計算になり、菅家陣営は危機感を抱く。

 菅家が市長を三期務めた会津若松市を拠点に、会津地方全域での支持拡大が急務で、前回選挙時よりも増やした三十余りの後援会を動かし、建設や経済関係の支援団体を通じて組織票固めを進めている。連立政権を組む公明党との連携も強化し、前回よりも二万二千票の上積みとなる九万票を目指す。

 選挙戦を左右するのは、昨年八月に死去した故渡部恒三元衆院副議長の支持層とみている。元衆院副議長の支持者には立民や共産などと距離を置く保守層も含まれており、復興副大臣や環境政務官として本県復興に尽くしてきた実績を訴えながら取り込みを狙う。

   ◇  ◇

 小熊は十六日、会津若松市で後援会の会議に出席し、気を引き締めた。「野党共闘は単純な足し算ではない。初陣のつもりで戦う」

 前回は希望の党から立候補し、自民の菅家に敗れ、比例東北で復活当選した。共産、社民の立候補者と反自民票を奪い合った前回とは異なり、今回は野党統一候補だ。

 小熊陣営は野党共闘をより強固にし、共産、社民が前回獲得した計約一万七千五百票の取り込みを目指す。立民の支援団体である連合福島も支援を決めた。

 ただ、小熊陣営は前回の選対本部長を務めた故渡部恒三元衆院副議長が他界した影響を危惧する。衆院議員を十四期務めた元衆院副議長の現職時代からの熱烈な支持層が、小熊の支持基盤となっているためだ。

 元衆院副議長が生前に目指した「二大政党制実現」を強調しながら、会津地方の旧市町村単位と西郷村に設けた二十八の後援会をフル稼働させて、支持固めを急いでいる。政権与党の新型コロナ対応に批判的な層にも浸透することで、前回を約二万三千票上回る九万票の獲得を目指している。

【4区】

衆院選県内選挙区の立候補予定者

菅家 一郎 66 自民 前(3)

小熊 慎司 53 立民 前(3)


2017年衆院選県内選挙区の結果

当 68,282 菅家 一郎 62 自民

比 67,073 小熊 慎司 49 希望

  9,492 古川 芳憲 66 共産

  8,063 渡辺 敏雄 68 社民

※敬称略。左から氏名、年齢、所属政党の順。前は前職、新は新人。丸数字は当選回数。比は比例代表での当選者