今を生きる 11店 喜びの再開業 南相馬市鹿島区 西町仮設店舗

南相馬市鹿島区で23日、西町仮設店舗がオープンした。かつての常連客らが詰め掛け、大にぎわい。避難先から戻って開店にこぎ着けた経営者もいる。代表の高橋秀典さん(40)=さくら はる食堂=は「夜遅くまで準備してきた。個性ある11店舗がそろって開店できた。頑張っていきたい」と決意を語る。
■避難先から戻った店主も 古里復興へ決意
開店前から約50人が詰め掛けた。「森の花屋さん」(小高区)は、7カ月ぶりの開店に常連客が駆け付け、商品もほぼ完売。店主の一條玉枝さん(61)は「こんなに来てくれるなんて。元気をもらった」と大喜びだ。
小高区のラーメン店・双葉食堂は避難先の新潟県で贈られたずんどうなどを使い、営業を再開。店主の豊田英子さん(62)は「常連さんや新潟県からも来てくれた」と笑顔で話した。避難先の埼玉県春日部市から訪れた鎌田チカ子さんは懐かしい味に満足そう。
東日本大震災・東京電力福島第一原発事故による避難者用店舗で、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が建設した。鉄骨造り平屋二棟、延べ床面積約493平方メートル。食堂、居酒屋、花屋、洋品店、写真館などが入居した。
オープンセレモニーには約40人が出席、高橋代表があいさつし、広瀬邦明中小機構理事、村田崇副市長、沢田一夫鹿島商工会長が祝辞を述べた。地権者の高野ヒデ子さんが加わりテープカットした。