ホテルなみえ 心はいつも古里に いわきに1日本格オープン

■前司昭一さん(61)
「浪江町民の心の復興の礎になるものをつくりたかった」。警戒区域の浪江町でホテルを経営していた前司昭一さん(61)が買収した、いわき市平字南町のビジネスホテルが12月1日、「ホテルなみえ」の名称で本格オープンする。
浪江町で「ホテルなみえ」を経営していた前司さんが新たに「ホテルなみえ2」の地鎮祭を行ったのは、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の直前、2月27日のことだった。
当然、ホテル事業も工事もストップ。伊達重機の社長も務める前司さんは、事故直後から原発の収束工事に奔走してきた。本社はいわき市に移転した。
ホテル買収には、浜通り復旧原子力収束グループとして補助金約2億7000万円を受けた。生まれ育った浪江町にこだわり、同じ名前をつけた。8月から改装工事をしながら仮営業を続けてきた。
5階建て54室で従業員は8人。全館をリニューアルし、質の高い調度品をそろえたが、シングル5400円、ダブル7500円、ツイン9000円の低価格に設定した。
前司さんは「お世話になった方々に恩返しのつもりで原発の仕事を続けている。避難している浪江町民にもホテルを活用してほしい」と話している。
ホテルの電話番号は0246(24)2555。