広野の2遺族、東電と和解

 東京電力福島第一原発事故で避難を強いられて死亡した、いわゆる「原発事故関連死」について、東電は6日までに、政府の原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申し立てがあった2件で死亡慰謝料などを遺族に支払う和解案を受諾していたこと分かった。
 これまでにセンターが公表している276件の和解事例のうち、東電が原発事故と死亡との因果関係を認め、遺族に死亡慰謝料を支払ったケースは計3件となった。
 和解が成立したのは、広野町から避難した腎臓透析患者の遺族と警戒区域の病院に入院していた患者の遺族。
 センターによると、広野町から避難した腎臓透析患者は、原発事故による医療水準の低下が原因で平成23年3月27日に死亡した。東電は遺族に死亡慰謝料1200万円と死亡逸失利益約270万円、葬儀費用30万円を支払うことで和解が成立した。
 警戒区域の病院に入院していた患者は、原発事故で医療水準が低下した影響で23年3月13日ごろに死亡した。東電は遺族に死亡慰謝料900万円と逸失利益45万円を支払うことで和解した。