今を生きる 仮設住宅 菊で彩る 「木止め作り」完成 区役所に展示 来年はみんなに指導を

仮設住宅で見事な中菊の盆栽を作った橋本さん

■南相馬鹿島区に入居の橋本さん
 南相馬市小高区村上の自宅が津波で流され、鹿島区の小池第三仮設住宅に入居している橋本尉記(やすのり)さん(68)は、半年足らずで見事な「木止め作り」の菊の盆栽を完成させた。鹿島区役所に展示され、来訪者の目を楽しませている。

 盆栽は高さ約1メートル。竹筒を使って根を少しずつ伸ばす独自の手法で、最長約1メートルの根を鉢から朽ち木にからませ、白、黄、薄紫の3種の中菊約300個を咲かせた。花の茎1本1本の形をアルミ線で整えた。杉材の鉢も手作りで、どこから眺めてもいいように仕上げた。
 これまで小高区の文化祭に毎年出品、1コーナーを確保するほどの腕前。津波で全て流されたが、「弟子」が苗を譲ってくれた。庭には、来年の盆栽用に竹筒を使って30センチほどに根を伸ばした約30鉢の中菊も準備している。
 橋本さんは「ハウスがなく、日当たりも良くないのに、まずまずの出来栄え。来年はみんなに作り方を指導したい」と話している。問い合わせは橋本さん 電話090(2277)2800へ。