今を生きる 復興願うハーモニー 南相馬の鹿島中でコンサート 会場全体の合唱も

■ゴスペラーズとMJCアンサンブル 共演
男性ボーカルグループ「ゴスペラーズ」は19日、南相馬市鹿島区の鹿島中で開かれた復興ふれあいコンサートに参加、地元の女子中高生でつくる合唱団「MJCアンサンブル」と共演した。
市社会福祉協議会が主催した。ゴスペラーズは同日、全国ツアーの福島市公演を予定していたが、震災の影響で中止になった。リーダーの村上てつやさんが7月、ボランティアとして南相馬市を訪れたこと、メンバーが県内外に避難しているMJCがゴスペラーズの「青い鳥」を歌っていたことなどがきっかけになり、市に駆け付けた。
市民ら約200人が訪れた。市内で4月からボランティア活動を続けているMAX音楽隊(東京都)が元気いっぱいに歌や踊りを披露。MJCが「手紙」、ゴスペラーズが代表曲の「ひとり」「ミモザ」を歌い上げた。
ゴスペラーズとMJCが「青い鳥」を歌い会場に豊かなハーモニーが響くと、観客から大きな拍手が送られた。最後は会場全体で「上を向いて歩こう」を歌った。
MJC団長の根本英美理さん(18)=相馬東高3年=は「憧れの村上さんたちと共演できて感動した。これからの活動の励みにもなった」と瞳を潤ませた。
村上さんは、8月には東京都で開かれた第25回少年少女合唱祭全国大会に出場したMJCのメンバーを激励、交流を深めてきた。「大きなことは言えない。ただ、顔の見える人たちを応援することはできる。一緒に夢を追い続けたい」と温かいエールを送った。