1年ぶり活動再開 会員、笑顔で山登り

再開したクラブの活動に参加し笑顔を見せる町民ら

■ならはスポーツクラブ
 楢葉町の総合型地域スポーツクラブ「ならはスポーツクラブ」(松本親臣会長)が約1年ぶりに活動を再開した。14日には茨城県で登山を企画し、26人が参加した。ゼネラルマネジャーを務める同町の遠藤ノブ子さん(61)は「みんなの笑顔が見られて良かった」と喜んだ。
 クラブは平成14年に発足し、会員は約400人に上っていた。昨年は10周年の節目を迎え、多くの記念イベントを企画していた。しかし、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が全てを白紙にした。
 遠藤さんも避難する身となった。6人家族が4カ所に分かれて住むことになるなど、避難生活で苦労を強いられる中、休止状態となったクラブのことが頭から離れなかった。会員からも再開を望む声が寄せられた。
 震災で活動を休止し町の補助金が出なくなったため、活動資金の確保が課題だった。本当にやれるのか-。不安に駆られたが、「前に進むためには何かを始めないと」と、気持ちを奮い立たせた。県スポーツ振興基金やスポーツ振興くじ助成金に補助を申請し、活動再開への道筋を付けた。
 4月には町いわき出張所谷川瀬分室に事務局を設けた。いわき市に避難しているクラブマネジャーの渡辺みどりさん(53)らが事務を切り盛りする。遠藤さんも避難先の郡山市から通い、準備を整えてきた。再開後、初の活動となった筑波山登山では、町民が生き生きとした表情を見せてくれた。「楢葉に帰るまで元気でいよう」。クラブが結ぶ絆は、困難に立ち向かう力になると確信した。

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 クラブは活動の参加者を募集している。登山とウオーキングが主で、月に1回程度実施する予定。問い合わせは事務局 電話0246(23)7900へ。