いわきに仮設フィットネスジム 避難住民の健康増進に

震災以来、スタッフがそろったフィットネスジム。笑顔を見せる高田副社長(前列右から3人目)ら

■全国に元気発信Jヴィレッジ副社長 高田豊治さん(64)
 「Jヴィレッジの灯を絶やさないことが福島の復興につながる。全国にJヴィレッジは元気だというメッセージを送りたい」-。Jヴィレッジから運び出したトレーニングマシンを完備する「仮設フィットネスジム」がいわき市に完成し11日、利用が始まった。運営・管理する日本フットボールヴィレッジ社の副社長、高田豊治さん(64)=市内平=は喜びをかみしめ感謝の言葉を口にした。震災後、約1年4カ月ぶりに顔をそろえたチーフの永井隆太郎さん(37)らスタッフ8人は高田さんを囲み、「Jヴィレッジの再開に向けた小さくて、大きな第一歩」と笑顔を見せた。
 Jヴィレッジに隣接するフィットネスセンターは国内トップアスリートが利用する高性能のマシン約30台やプールを備え、平成9年にオープンした。地域に広く開放され、昨年3月までの約14年間で延べ54万人が訪れたという。
 市内には双葉郡などから2万人を超える住民が避難生活を続けており、運動不足や地域コミュニティーの崩壊が課題になっていた。楢葉町が中小企業基盤整備機構の制度を活用し、仮設住宅が多い中央台地区近くの市有地を借り、プレハブ平屋約100平方メートルの仮設ジムを整備した。
 スタッフらがJヴィレッジから比較的利用率の高い15台を運び入れた。
 高田副社長は「精神的なストレスは計り知れない。双葉郡の住民や市民の誰でもが利用できる。心と体の健康増進に役立ててほしい」と呼び掛けている。初日から大勢のお年寄りらが訪れ再会を懐かしむ姿を見て、「旧知の人に会え、近況を報告し合える場になってほしい」とも願う。
 震災後、スタッフは楢葉町や富岡町などに派遣され復興をサポートしていた。永井さんは「お世話になった自治体へのお礼を込め、住民の体と心のケアにスタッフ一丸で当たりたい」と話す。会場では楢葉名物のマミーすいとんが来場者に振る舞われ喜ばれた。
 仮設ジムの利用は火~金曜日が正午から午後8時、土曜日と祝日が午前9時から正午と午後2時から午後6時、日曜日と月曜日が休み。1回300円。楢葉、広野両町民は町から補助がある。問い合わせは事務所 電話0246(46)0201へ。