交通安全 自分たちで ボランティア活動開始

■二本松に避難の浪江町民有志
東京電力福島第一原発事故により二本松市の仮設住宅に避難する浪江町民の有志が、浪江町交通安全ボランティアとして活動を開始した。11日、浪江地区交通安全協会から帽子やジャンパー、夏用ベストが交付された。発起人の高橋政雄さん(76)=安達運動場仮設住宅=ら30人は「避難先で交通事故に遭ったり、起こさないよう頑張ろう」と誓った。
二本松署での交付式には11カ所の仮設住宅のボランティア、浪江地区交安協の長沼克往会長、二本松地区交安協の野地達夫会長、双葉、二本松両署関係者が出席した。
根本忠之二本松署長が「市内の仮設住宅に約2000人が生活しており、自分たちの身を守ろうと立ち上がった皆さんに期待します」と激励。長沼交安協会長が代表の高橋さんにベストなどを渡し「二本松での活動が、各地に避難する町民の意識を高めるよう願っています」とあいさつした。
そろいの帽子、ベスト姿になったボランティアは早速、二本松署で毎月実施している「仮設住宅訪問の日」の活動に参加し、郭内公園仮設住宅などで啓発チラシなどを配った。
発起人の高橋さんは昨年11月に安達運動場仮設住宅の住民でつくった交通安全・防犯パトロール隊で活動してきた。6月に二本松市針道で起きた原発事故の避難者5人が犠牲になる交通事故現場にも足を運び、冥福を祈るとともに、交通安全団体関係者と防止策を話し合うなど積極的に努めている。
高橋さんは「厳しい避難生活の中で、余裕のない運転や、ふとした油断が事故につながる。仲間を増やし、みんなで注意しながら古里へ帰れる日を待ちたい」と話していた。