三匹獅子舞 歴史つなぐ 7日、2年ぶり奉納 「今年こそ」決意固く

■福島・大波の保存会会長 大波勝弘さん(70)
福島市大波の大波住吉神社に伝わる三匹獅子舞が7日、2年ぶりに奉納される。昨年は東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で、できなかった。五穀豊穣(ほうじょう)への祈りに復興への願いを重ね、地域の子どもたちが舞う。
福島市内唯一の獅子舞で、昭和37年に市の無形民俗文化財に指定された。詳しい歴史は不明だが、使用する太鼓に「天保10年」と記されており、少なくとも1839年にはあったと推定される。3人の少年が獅子に扮(ふん)する。
昨年は地区の放射線量が比較的高く、子どもたちへの影響を考慮して断念せざるを得なかった。除染が進んでいることを踏まえ、途切れた伝統を再びつないでいこうと「3匹獅子舞ならびに鬼舞保存会」の大波勝弘会長(70)らが再開を決めた。舞い手は3人の中学生が務める。
大波会長は「今年は何としてもやらなければならないと思っていた。この獅子舞は後世にずっと残していかなければならないものだから」と話す。人口の流出や出生数の減少で担い手確保は年々厳しくなっているが、継承への決意は固い。
「多くの人に見ていただけたら、踊る子どもたちの励みにもなる」。大波会長は当日、地区外からも多くの見物者が訪れることを期待している。
神社境内での3匹獅子舞は午後1時半ごろからの予定。大人たちによる鬼舞も披露する。大波会長と市文化課の安斎哲也さんは福島民報社を訪れ、来場を呼び掛けた。問い合わせは大波会長 電話024(588)1063へ。