今を生きる 沖縄特産品で元気を 地元品も充実「復興の道しるべに」

■小名浜の店舗 津波被害 松本さん 二本松にきょう新拠点
「ほーら、いいゴーヤーと大長なすが届いたぞ」。いわき市の秋南企画グループ会長、松本博之さん(65)は沖縄の特産品を手に店員に声を掛ける。15日に二本松市槻木の四号国道沿いに開店するロードショップ「ぽすと」の準備に慌ただしく動き、笑顔は絶えない。
東日本大震災の津波で、小名浜のいわき・ら・ら・ミュウに出していた店が被災した。沖縄と地元の物産を販売するアンテナショップとして14年間、親しまれてきた。「従業員が無事だったのが何より」と話すが、商品は全て流された。
そのまま撤退も考えた。しかし、今まで支えてくれた沖縄や地元の人々の思いを無にしたくないと再興を決意した。7月、県の支援を受けられることになり、二本松市に所有していた空き店舗の改装に乗り出した。
「二本松の四号国道は福島、郡山両市を結ぶ大動脈。利用する多くの人たちが立ち寄る復興の小さな道しるべになりたい」
店舗には沖縄の泡盛、そば、菓子、いわきの産品に加え新たに二本松や福島の菓子、地酒、工芸品などを並べる。「扱う産品を充実させ、福島と沖縄の交流拠点にする」と夢を広げる。
15、16の両日は沖縄から直送された農産物を限定販売する。売り上げの一部は復興義援金に寄付するという。